PCRエディターをはじめよう
PCRエディターVer.2は、パソコンでEDIROL PCRシリーズのコントロール・マップ(従来のPCR シリーズではメモリー・セット)の作成を行うためのアプリケーションです。PCR-300/500/800 は、[R1]〜[R9]、[S1]〜[S9]、[A1]〜[A9]、[B1]〜[B9]、[C1]〜[C3]、[L1]〜[L4]、[H1]〜[H2]、[P1]〜 [P2]、[BEND]、[MOD]、[AFT]の計50 個のコントローラーを装備しており、これらに対してメッセージの設定を自由にすることが可能です。
本体のみの操作でもメッセージをアサインすることができますが、PCR エディターを使うと本体パネルと同じグラフィカルな画面で、簡単にメッセージをアサインすることができます。
コントローラーにアサインした50 個のメッセージをまとめて、コントロール・マップと呼びます。PCR エディターVer.2 では、コントロール・マップをPCR とやりとりし、それをエディットすることはもちろん、コントロール・マップをSMF 形式で保存や読み込みをすることができます。
メッセージのアサイン
アサインする
次の手順で各コントローラーにメッセージをアサインします。
- メイン・ウィンドウで、メッセージをアサインしたいコントローラーをクリックします。
- メッセージ・アサイン・ウィンドウのAssign Messageで、アサインしたいメッセージの種類を選択します。
- 選択したメッセージの種類に従って、メッセージ・アサイン部で各パラメーターを設定します。
設定するパラメーターについて詳しくはパラメーターの設定項目を参照してください。 - Output Portで出力ポートを設定します。
- 必要に応じて、Commentにコメントを入力します。
- [OK]をクリックします。




確認する
アサインしたメッセージを確認するには、次の2 つの方法があります。
表示 | 方法 |
---|---|
アサイン一覧を表示 | [ファイル]ー[アサイン一覧を表示]を使って、詳細なパラメーター一覧をHTML形式で表示する。 |
アサイン・メッセージを表示 | [オプション]ー[アサイン・メッセージを表示]を使って、メイン・ウィンドウ上に表示させる。 |
アサイン一覧を表示
[ファイル]ー[アサイン一覧を表示]を使うと、アサインしたメッセージのすべてのパラメーターが、HTML形式で表示されます。詳細なデータが必要な場合や、最終確認をする場合などに便利です。また、[ファイル]ー[アサイン一覧を出力]を使うことで、これと同じパラメーター一覧をHTML ファイルに出力することができます。
アサイン・メッセージを表示
[オプション]ー[アサイン・メッセージを表示]を使うと、各コントローラーにアサインされているメッセージの概要が、メイン・ウィンドウに次のように表示されます。アサインの最中や全体的な配置を確認する場合などに便利です。

この場合の表示と内容の対応は次のようになります。
表示 | メッセージ |
---|---|
![]() |
NO ASSIGN |
![]() |
Note |
![]() |
Channel Pressure |
![]() |
Polyphonic Key Pressure |
![]() |
Control Change |
![]() |
Program Change |
![]() |
Program Change (Min-Max) |
![]() |
Bank Select + Program Change |
![]() |
Program Change - Dec |
![]() |
Program Change - Inc |
![]() |
RPN |
![]() |
NRPN |
![]() |
Encoder Simulate |
![]() |
System Realtime/F6 |
![]() |
System Ex. |
![]() |
Free Message |
![]() |
Tempo |
Output Portは色の違いで示されます。表示とOutput Portの対応は次のようになります。
表示色 | Output Port |
---|---|
![]() |
Port 1 |
![]() |
Port 2 |
![]() |
Port 1+2 |
![]() |
NO ASSIGN |
コントロール・マップ
保存する
PCRエディターでエディットしたコントロール・マップは、PCR本体と直接やりとりするだけでなく、SMF形式で保存することができます。
- 各コントローラーのコメント入力欄も、SMFに保存されます。
SMFへの保存は、次の手順で行います。
- メニューから[ファイル]ー[名前を付けて保存]を選択します。
最後に開いたファイルに上書き保存する場合は、[ファイル]ー[保存]を選択してください。 - ファイル名を指定し[保存]をクリックします。
読み込む
SMF形式で保存されているコントロール・マップ・データを読み込むことができます。
- PCRのコントロール・マップ・データが含まれていないSMFは読み込めません。SMFには、すべてのコントローラーの設定が含まれている必要があります。
- PCRエディターで保存したSMFからのみ、コメント入力欄の内容を読み込むことができます。
SMFからの読み込みは、次の手順で行います。
- メニューから[ファイル]ー[開く]を選択します。
- 読み込むファイルを指定し[開く]をクリックします。
メモリー・セットのインポート
従来のPCRシリーズ用に作られた「メモリー・セット」を、PCR-300/500/800の「コントロール・マップ」として読み込むことができます。
- 従来のPCRシリーズに装備されていないコントローラーは「No Assign」となります。
- 従来のPCRシリーズのメモリー・セット・データが含まれていないSMFは読み込めません。SMFには、従来のPCRシリーズのすべてのコントローラーの設定が含まれている必要があります。
メモリー・セットのインポートは、次の手順で行います。
- メニューから[ファイル]ー[メモリー・セットをインポート]を選択します。
- 読み込むファイルを指定し[開く]をクリックします。
データの送信/受信
送信
エディット中のコントロール・マップをPCR本体のカレント・メモリーに送信します。
- 送信を行うと、PCR本体のカレント・メモリーは上書きされます。ご注意ください。
コントロール・マップの送信は、次の手順で行います。
- メニューから[通信]ー[送信]を選択します。
- 確認ダイアログが開くので、続ける場合は[続行]をクリックします。
- コントロール・マップ送信ダイアログが開きます。
ダイアログに従って、PCR本体をBULK受信待ち状態にします。
- 準備ができたら、[続行]をクリックします。
- 転送中ダイアログが表示されます。
ダイアログの表示が消えたら、送信は完了です。
- PCR本体のディスプレイに「END」と表示されます。
PCR本体の[ENTER]ボタンを押すとPLAYモードに戻ります。
受信
PCR本体のカレント・メモリーを読み込んで、エディットの対象にします。コントロール・マップの受信は次の手順で行います。
- メニューから[通信]ー[受信]を選択します。
- 確認ダイアログが開くので、続ける場合は[続行]をクリックします。
- コントロール・マップ受信ダイアログが開きます。
ダイアログに従って、PCR本体からBULKを送信します。
- 転送中ダイアログが表示されます。
ダイアログの表示が消えたら、受信は完了です。
- PCR本体のディスプレイに「END」と表示されます。
PCR本体の[ENTER]ボタンを押すとPLAYモードに戻ります。
パラメーターの設定項目
パラメーターは、10 進数で指定してください。
- 説明中、[ ]内の表記は16 進数になっています。
No Assign
メッセージのアサインを解除します。
アサインを解除したコントローラーを操作しても、メッセージは何も出力されません。
NO ASSIGNでは、設定可能なパラメーターはありません。
Channel Message
チャンネル・メッセージをアサインします。Type欄でアサインするメッセージの種類を選びます。選んだメッセージに従って、次のパラメーターを設定します。
Type | 内容 |
---|---|
Note | ノート・メッセージをアサインします。 |
Channel Pressure | チャンネル・プレッシャー・メッセージをアサインします。 |
Polyphonic Key Pressure | ポリフォニック・キー・プレッシャー・メッセージをアサインします。 |
Control Change | コントロール・チェンジ・メッセージをアサインします。 |
Program Change | プログラム・チェンジ・メッセージ(プログラム・ナンバー固定)をアサインします。 |
Program Change (Min–Max) | プログラム・チェンジ・メッセージ(プログラム・ナンバー可変)をアサインします。 |
Bank Select + Program Change | バンク・セレクト・メッセージとプログラム・チェンジ・メッセージ(値はすべて固定)をアサインします。 |
Program Change—Dec | プログラム・チェンジのデクリメント機能(PC DEC)をアサインします。これにより、PCRのプログラム・チェンジ・モードで最後に送信したプログラム・チェンジ・ナンバーから-1したプログラム・チェンジを送信することができます。 |
Program Change—Inc | プログラム・チェンジのインクリメント機能(PC INC)をアサインします。これにより、PCRのプログラム・チェンジ・モードで最後に送信したプログラム・チェンジ・ナンバーに+1したプログラム・チェンジを送信することができます。 |
RPN | レジスタード・パラメーター・ナンバーをアサインします。 |
NRPN | ノンレジスタード・パラメーター・ナンバーをアサインします。 |
Encoder Simulate | ロータリー・エンコーダーをシミュレートする機能をアサインします。 |
Note[9n kk vv]
ノート・メッセージをアサインします。
Noteでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
Note Number | ノート・ナンバー[kk] |
Velocity | ベロシティ[vv] |
AFT Mode | アフタータッチ |
Channel Pressure[Dn vv]
チャンネル・プレッシャー・メッセージをアサインします。
Channel Pressureでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
Min Value | チャンネル・プレッシャー[vv]の下限値 |
Max Value | チャンネル・プレッシャー[vv]の上限値 |
Polyphonic Key Pressure[An kk vv]
ポリフォニック・キー・プレッシャー・メッセージをアサインします。
Polyphonic Key Pressureでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
Note Number | ノート・ナンバー[kk] |
Min Value | キー・プレッシャー[vv]の下限値 |
Max Value | キー・プレッシャー[vv]の上限値 |
Control Change[Bn cc vv]
コントロール・チェンジ・メッセージをアサインします。
Control Changeでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
Control Number | コントロール・ナンバー[cc] |
Min Value | コントロール値[vv]の下限値 |
Max Value | コントロール値[vv]の上限値 |
Program Change[Cn pp]
プログラム・チェンジ・メッセージ(プログラム・ナンバー固定)をアサインします。
Program Changeでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
PC Number | プログラム・ナンバー[pp] |
- プログラム・ナンバー[pp]の範囲は、1〜128になります。
Program Change(Min - Max)[Cn pp]
プログラム・チェンジ・メッセージ(プログラム・ナンバー可変)をアサインします。
Program Change(Min - Max)では、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
Min Number | プログラム・ナンバー[pp]の下限値 |
Max Number | プログラム・ナンバー[pp]の上限値 |
- プログラム・ナンバー[pp]の範囲は、1〜128になります。
Bank Select + Program Change[Bn 00 mm Bn 20 ll Cn pp]
バンク・セレクト・メッセージとプログラム・チェンジ・メッセージ(値はすべて固定)をアサインします。
Bank Select + Program Changeでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
Bank MSB | バンク・ナンバーMSB[mm] |
Bank LSB | バンク・ナンバーLSB[ll] |
PC Number | プログラム・ナンバー[pp] |
- プログラム・ナンバー[pp]の範囲は、1〜128になります
Program Change - Dec
プログラム・チェンジのデクリメント機能(PC DEC)をアサインします。これにより、PCRのプログラム・チェンジ・モードで最後に送信したプログラム・チェンジ・ナンバーから-1したプログラム・チェンジを送信することができます。
Program Change - Decでは、設定可能なパラメーターはありません。
Program Change - Inc
プログラム・チェンジのインクリメント機能(PC INC)をアサインします。これにより、PCRのプログラム・チェンジ・モードで最後に送信したプログラム・チェンジ・ナンバーに+1したプログラム・チェンジを送信することができます。
Program Change - Incでは、設定可能なパラメーターはありません。
RPN[Bn 65 mm Bn 64 ll Bn 06 dm Bn 26 dl]
レジスタード・パラメーター・ナンバーをアサインします。
RPNでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
RPN MSB | RPNパラメーター番号MSB[mm] |
RPN LSB | RPNパラメーター番号LSB[ll] |
MSB Min Value | データ・エントリーMSB[dm]の下限値 |
MSB Max Value | データ・エントリーMSB[dm]の上限値 |
- データエントリーLSB[dl]の範囲については、設定できません。0〜127固定です。
NRPN[Bn 63 mm Bn 62 ll Bn 06 dm Bn 26 dl]
ノンレジスタード・パラメーター・ナンバーをアサインします。
NRPNでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
NRPN MSB | NRPNパラメーター番号MSB[mm] |
NRPN LSB | NRPNパラメーター番号LSB[ll] |
MSB Min Value | データ・エントリーMSB[dm]の下限値 |
MSB Max Value | データ・エントリーMSB[dm]の上限値 |
- データエントリーLSB[dl]の範囲は、設定できません。0〜127固定です。
Encoder Simulate[Bn cc 41]-[Bn cc 01]
ロータリー・エンコーダーをシミュレートする機能をアサインします。
Encoder Simulateでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
MIDI Channel | MIDIチャンネル[n] |
Control Number | コントローラー・ナンバー[cc] |
- [A1]〜[A9]、[B1]〜[B9]、[C1]〜[C3]、[L1]〜[L4](ボタン)にアサインすることはできますが、動作しません。
System Realtime/F6 [F6/F8/FA/FB/FC/FF]
システム・リアルタイム・メッセージ、およびF6(Tune Request)をアサインします。
System Realtime/F6では、Statusからアサインしたいメッセージを選びます。
System Ex. [F0 ... F7]
最大24バイトまでのSystem Ex.メッセージをアサインします。
System Ex.では、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
Message入力欄 | 24バイトまでのSystemEx.メッセージを入力します。各バイトを半角スペースで区切って16進数で入力してください。
入力について、次のような制限事項があります。
可変データやチェックサムなどを入力することもでき、これらの入力には表1:Message入力欄で使用できる特殊文字に示した特殊文字を使用します。特殊文字「DT」を使用した場合は、データの種類をDataType欄で指定します。 |
Data Type | Message入力欄で、特殊文字「DT」を使用した場合、その位置に入れるデータの種類を指定します。指定できるデータの種類については、表2:DataType欄で指定できるデータの種類を参照してください。 |
Min Value | データの下限値 |
Max Value | データの上限値 |
表1:Message入力欄で使用できる特殊文字
特殊文字 | 説明 | 詳細 |
---|---|---|
DT | データ挿入位置 | |
SS | チェックサム計算開始位置 | チェックサム自動計算機能を使いたい場合、その計算開始位置を指定します。 |
S1/S2 | チェックサム挿入位置及び種類 | チェックサム自動計算機能を使いたい場合、チェックサムを挿入する位置とその種類を指定します。 S1 : ローランドをはじめとして一般的に使われている方式 S2 : S1以外の方式を採用している場合 |
?n | チャンネル (?は0〜7の任意の値) |
エクスクルーシブ中にチャンネルを挿入したい場合、その位置と上位4ビット(0〜7の固定値)を指定します。チャンネル部分には、PCRのカレント・チャンネルが挿入されます。 |
?x | ブロックナンバー (?は0〜7の任意の値) |
エクスクルーシブ中にGSのブロックナンバーを挿入したい場合、その位置と上位4ビット(0〜7の固定値)を指定します。ブロック部分には、PCRのカレントチャンネルをブロックナンバーに変換した値が挿入されます。 |
表2:DataType欄で指定できるデータの種類
データの種類 | データの長さ | Min Value/Max Valueの指定対象 |
---|---|---|
DT0 : 7bit | 1バイト | データそのものの範囲を指定(0〜127) |
DT1 : 4bit/4bit | 2バイト | 1バイト目の範囲を指定(0〜15) ※2バイト目は0〜15固定 |
DT2 : 7bit/7bit (MSB/LSB) |
2バイト | MSBの範囲を指定(0〜127) ※LSBは0〜127固定 |
DT3 : 7bit/7bit (LSB/MSB) |
2バイト | MSBの範囲を指定(0〜127) ※LSBは0〜127固定 |
DT4 : 4bit/4bit/4bit/4bit | 4バイト | 8000hを中心としたマイナス方向(Min)とプラス方向(Max)の変化幅を指定(0〜255) |
入力例
-
Message入力欄に次のように入力します。
「F0 41 10 42 12 SS 40 1X 32 DT S1 F7」 - DataType欄で「DT0」を選択、Min Valueに「0」、Max Valueに「127」を指定します。
- チェックサムの計算開始位置については、CD-ROMに収載の「MIDIインプリメンテーション」(MIDIImple_j.pdf)の「参考資料」を参照してください。
Free Message [...]
最大24バイトまでのMIDIメッセージ(複数メッセージもアサイン可能)をアサインします。
Free Messageでは、次のパラメーターを設定します。
項目 | 内容 |
---|---|
Message入力欄 | 24バイトまでのMIDIメッセージを入力します。各バイトを半角スペースで区切って16進数で入力してください。
入力について、次のような制限事項があります。 ※チェックサムは使えません ※最初のバイトには特殊文字は使えません
可変データなどを入力することもでき、これらの入力には 表1:Message入力欄で使用できる特殊文字 に示した特殊文字を使用します。特殊文字「DT」を使用した場合は、データの種類をData Type欄で指定します。 |
Data Type | Message入力欄で、特殊文字「DT」を使用した場合、その位置に入れるデータの種類を指定します。指定できるデータの種類については、表2:DataType欄で指定できるデータの種類 を参照してください。 |
Min Value | データの下限値 |
Max Value | データの上限値 |
Tempo
MIDI Clockを送出する際の、テンポ・コントロールをアサインします。
Tempoでは、設定可能なパラメーターはありません。
ウィンドウの説明
メイン・ウィンドウ

タイトル(TITLE)
現在編集中のコントロール・マップの名称を入力しておくことができます。メモリー・セット名には、半角英数字のみ入力可能です。ここで、入力したメッセージは、[ファイル]ー[割り当て一覧を出力]で出力されるHTMLファイルにも反映されます。
コントローラー
メッセージをアサインしたいコントローラーをクリックして選びます。コントローラー上(クリック可能なエリア)では、マウス・カーソルがの形に変わります。この状態で、コントローラーをクリックすると、メッセージ・アサイン・ウィンドウが開きます。
メッセージ・アサイン・ウィンドウ


- コントローラーとアサインするメッセージの種類によって、設定項目が異なります。
コントローラー名
エディット中のコントローラー名が表示されます。
アサイン・メッセージ選択リスト(Assign Message)
コントローラーにアサインするメッセージの種類を指定します。
メッセージの種類と選択肢の関係は次のようになります。
メニュー | 概要 |
---|---|
NO ASSIGN | メッセージのアサイン解除 |
Channel Message | チャンネル・メッセージ(CC、NOTEなど)のアサイン |
System Realtime/F6 | システム・リアルタイム・メッセージ、およびF6(Tune Request)のアサイン |
System Ex. | 最大24バイトのSystem Ex.メッセージのアサイン |
Free Message | 最大24バイトのMIDIメッセージのアサイン(複数メッセージも可能) |
Tempo | テンポ・コントロールのアサイン |
メッセージ・アサイン部
アサイン・メッセージ選択リストで選択したメッセージに対して、各パラメーターの値を設定します。メッセージの各パラメーターについて詳しくはパラメーターの設定項目を参照してください。
アウトプット・ポート(Output Port)
USB接続の場合に、コントローラーにアサインしたメッセージをどのUSBポートに送信するか設定します。ポートと選択肢の関係は次のようになります。
ポート | 概要 |
---|---|
Port 1 | 「EDIROL PCR 1」にメッセージが送られます。 |
Port 2 | 「EDIROL PCR 2」にメッセージが送られます。 |
Port 1+2 | 「EDIROL PCR 1」と「EDIROL PCR 2」の両方にメッセージが送られます。 |
ボタン・モード(Button Mode)
エディット中のコントローラーがボタンの場合、ボタン・モードを設定します。ボタン・モードと選択肢の関係は次のようになります。
モード | 概要 |
---|---|
UNLATCH | ボタンを押すとオン、離すとオフになります。 |
LATCH | ボタンを押すごとに、オン/オフが切り替わります。 |
INCREASE | ボタンを押すごとに値を+1します(最大値よりも最小値が小さい場合は-1)。値が最大値(最小値)に到達した場合、最小値(最大値)にとびます。 |
アフタータッチ・モード(AFT Mode)
編集中のコントローラーが[A1]〜[A9]、[B1]〜[B9]の場合、アフタータッチの設定をします。アフタータッチ・モードと選択肢の関係は次のようになります。
モード | 概要 |
---|---|
OFF | アフタータッチなし。 |
Channel Pressure | 指定したチャンネルに、共通のアフタータッチがかかります。 |
Polyphonic Key Pressure | ノート・ナンバーごとに独立したアフタータッチがかかります。 |
バーチャル・センター・クリック(Virtual Center Click)
エディット中のコントローラーが[R1]〜[R9]、[S1]〜[S9]の場合、バーチャル・センター・クリックの設定をします。バーチャル・センター・クリックと選択肢は次のようになります。
モード | 概要 |
---|---|
OFF | センター付近の不感帯なし |
ON | センター付近の不感帯あり |
コメント(Comment)
アサインしたメッセージについてのコメントを入力しておくことができます。コメントには、半角英数字のみ入力可能です。ここで入力したコメントは、[ファイル]ー[アサイン一覧を出力]で出力されるHTMLファイルの「PARAMETER」欄に反映されます。
- PCRエディターで保存したSMF以外からは、コメントの記述を読み込むことはできません。
メニューの説明
ファイル・メニュー
メニュー | 概要 |
---|---|
新規作成 | 新しいコントロール・マップを作成します。新しいコントロール・マップは、すべてのコントローラーが「NO ASSIGN」になっています。 |
開く | SMF形式で保存されているコントロール・マップを読み込みます。PCRのコントロール・マップ・データが含まれていないSMFは読み込めません。詳しくは、コントロール・マップを読み込むを参照してください。 |
保存 | エディット中のコントロール・マップを元のSMFに上書きして保存します。 |
名前を付けて保存 | エディット中のコントロール・マップを名前をつけてSMF形式で保存します。詳しくは、コントロール・マップを読み込むを参照してください。 |
メモリー・セットをインポート | PCRエディター Ver.1で作られたメモリー・セットをVer.2のコントロール・マップとして読み込みます。 |
アサイン一覧を出力 | エディット中のコントロール・マップの各コントローラーにアサインされたメッセージ一覧をHTML形式で出力します。 ※ここで出力したHTMLを[ファイル]ー[開く]で読み込むことはできません。 |
アサイン一覧を表示 | エディット中のコントロール・マップの各コントローラーにアサインされたメッセージ一覧をHTML形式で表示します。 |
編集メニュー
メニュー | 概要 |
---|---|
コピー | 選択されているコントローラーの設定を、クリップボードにコピーします。 |
貼り付け | クリップボードの設定を選択されているコントローラーに貼り付けます。 |
アサイン解除 | 選択されているコントローラーの設定を「NO ASSIGN」にします。 |
通信メニュー
メニュー | 概要 |
---|---|
送信 | エディット中のコントロール・マップをPCR本体のカレント・メモリーに送信します。詳しくは、データの送信を参照してください。 |
受信 | PCR本体のカレント・メモリーを読み込んで、エディットの対象にします。詳しくは、データの受信を参照してください。 |
オプション・メニュー
メニュー | 概要 |
---|---|
MIDIデバイス | PCR本体と通信するための、MIDIポートを設定します。詳しくは、MIDIポートの設定を参照してください。 |
アサイン・メッセージを表示 | エディット中のコントロール・マップで各コントローラーにアサインされているメッセージを、メイン・ウィンドウにすべて表示します。詳しくは、確認するを参照してください。 |
ヘルプ・メニュー
メニュー | 概要 |
---|---|
PCR Editorヘルプ | 本マニュアルを開きます。 |
キーボード・ショートカット
PCRエディターには、次のキーボード・ショートカットがあります。
コマンド | Windows | Macintosh |
---|---|---|
[ファイル]ー[新規作成] | Ctrl + N | Command + N |
[ファイル]ー[開く] | Ctrl + O | Command + O |
[ファイル]ー[保存] | Ctrl + S | Command + S |
[ファイル]ー[名前を付けて保存] | Ctrl + Shift + S | Command + Shift + S |
[ファイル]ー[終了] | Alt + F4 | Command + Q |
[編集]ー[コピー] | Ctrl + C | Command + C |
[編集]ー[貼り付け] | Ctrl + V | Command + V |
[編集]ー[アサイン解除] | Del | Del |
次のコントローラー | Ctrl + F | Command + F |
前のコントローラー | Ctrl + B | Command + B |
- [編集]ー[コピー]、[編集]ー[貼り付け]は、メイン・ウィンドウのTITLE 欄などの一部のテキスト・ボックスでは、テキストに対する編集のための操作になります。
MIDIポートの設定
コントロール・マップをPCRエディターとPCR 本体の間でやりとりするために、PCRエディターで使用するMIDIポートを設定する必要があります。
- 次の説明はPCRをUSB接続した場合のポートです。MIDI接続でお使いになる場合は、「EDIROL PCR 2」、「EDIROL PCR」の代わりに、PCRをMIDI接続している機器のIN Port, OUT Portをそれぞれ指定してください。
MIDIポートとは?
入力ポート
PCRとパソコンをUSBで接続すると、パソコンからは「EDIROL PCR MIDI IN」、「EDIROL PCR 1」、「EDIROL PCR 2」という3つのMIDI INデバイスを選ぶことができます。
入力ポート | 概要 |
---|---|
EDIROL PCR MIDI IN | PCRのMIDI IN端子から入力された情報を受けます。 |
EDIROL PCR 1 | PCRのフェーダーやつまみ、ボタンで「PORT 1」に設定された情報を受けます。 |
EDIROL PCR 2 | PCRのフェーダーやつまみ、ボタンで「PORT 2」に設定された情報を受けます。 PCRからのBULK情報を受ける場合は入力ポートに「PCR 2」を選びます。 |
これにより「PORT 1」でDAWソフトのボリュームやパンを操作し、「PORT 2」でソフトシンセをコントロールするといった操作が可能になります。
PCRのフェーダーやつまみ、ボタンなどを操作したときに送られるMIDIメッセージの出力先は、コントローラごとに設定することができます。
出力ポート
PCRとパソコンをUSBで接続すると、パソコンからは「EDIROL PCR MIDI OUT」、「EDIROL PCR」という2つのMIDI OUTデバイスを選ぶことができます。
出力ポート | 概要 |
---|---|
EDIROL PCR MIDI OUT | PCRのMIDI OUT端子につながれた機器にMIDIメッセージを送信します。 |
EDIROL PCR | PCRにMIDIメッセージを送信します。 PCRにBULKを送信する場合は出力ポートに「PCR」を選びます。 |
PCRエディターで作ったコントロール・マップをPCRに送信して使うためには、出力ポートで「PCR」を選ぶ必要があります。
Windowsの場合
USB 接続の場合は、PCRエディターを起動する前にPCR 本体とパソコンを接続し、電源を入れておいてください。
- メニューから[オプション]ー[MIDIデバイス]を選択します。
- 表示されたダイアログで、MIDIデバイスを次のように設定します。
- [OK]をクリックしてダイアログを閉じます。
Mac OS Xの場合
USB 接続の場合は、PCRエディターを起動する前にPCR本体とMacintoshを接続し、電源を入れておいてください。
- メニューから[オプション]ー[MIDIデバイス]を選択します。
- 表示されたダイアログで、MIDIデバイスを次のように設定します。
- [OK]をクリックしてダイアログを閉じます。

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